運送約款

人の運送をする貨物定期航路事業及び人の運送をする不定期航路事業に係る運送約款

第1章 総則

(適用範囲)

第1条 この運送約款は、当代表者が経営する航路で行う旅客及び手回り品の運送に適用されます。

2 この運送約款に定めのない事項については、法令の規定又は一般の慣習によります。

3 当代表者がこの運送約款の趣旨及び法令の規定に反しない範囲内で特約の申込みに応じたときは、その特約によります。

(定義)

第2条 この運送約款で「大人」とは、12歳以上の者(小学生(小学校(学校教育法(昭和23年法律第26号)第1条の小学校、義務教育学校の前期課程及び特別支援学校の小学部並びに同法第134条第1項の各種学校の小学部に類するものをいう。以下同じ。)に就学する児童をいう。以下同じ。)を除く。)をいいます。

2 この運送約款で「小児」とは、12歳未満の者及び12歳以上の小学生をいいます。

3 この運送約款で「手回り品」とは、旅客が自ら携帯又は同伴して船室又は船内に持ち込む物であって、次の各号のいずれかに該当するものをいいます。

(1) 3辺の長さの和が2メートル以下で、かつ、重量が30キログラム以下の物品

(2) 車いす(旅客が使用するものに限る。)

(3) 身体障害者補助犬(身体障害者補助犬法(平成14年法律第49号)第2条に規定する盲導犬、介助犬及び聴導犬であって、同法第12条の規定による表示をしているものをいう。)

4 この運送約款で「営業所」とは、当代表者の事務所をいいます。

第2章 運送の引受け

(運送の引受け)

第3条 当代表者は、使用船舶の輸送力の範囲内において、運送の申込みの順序により、旅客及び手回り品の運送契約の申込みに応じます。

2 当代表者は、前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する場合は、運送契約の申込みを拒絶し、又は既に締結した運送契約を解除することがあります。

(1) 当代表者が第5条の規定による措置をとった場合

(2) 旅客が次のいずれかに該当する者である場合

ア 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)による一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症若しくは指定感染症(入院を必要とするものに限る。)の患者(疑似症患者及び無症状病原体保有者を含む。)又は新感染症の所見がある者

イ 泥酔者、薬品中毒者その他他の乗船者の迷惑となるおそれのある者

ウ 重傷病者又は小学校に就学していない小児で、付添人のない者

エ 年齢、健康上その他の理由によって生命が危険にさらされ、又は健康が著しく損なわれるおそれのある者

(3) 旅客が法令若しくはこの運送約款の規定に違反する行為を行い、又は行うおそれがある場合

(4) 運送契約の申込みがこの運送約款と異なる運送条件によるものである場合

(5) 当該運送に関し、申込者から特別な負担を求められた場合

(手回り品の持込み等)

第4条 旅客は、手回り品(第2条第3項第2号及び第3号に掲げるものを除く。以下この項において同じ。)を船室に持ち込むことができます。ただし、手回り品の大きさ、乗船する船舶の輸送力等を勘案し、当代表者が支障がないと認めたときとします。

2 当代表者は、前項の規定にかかわらず、手回り品が次の各号のいずれかに該当する物であるときは、その持込みを拒絶することがあります。

(1) 臭気を発するもの、不潔なものその他乗船者に迷惑を及ぼすおそれのあるもの

(2) 銃砲、刀剣、その他使用することにより、乗船者、他の物品又は使用船舶に危害を及ぼすおそれのあるもの

(3) 爆発物その他乗船者、他の物品又は使用船舶に危害を及ぼすおそれのあるもの

(4) 遺体

(5) 生動物(第2条第3項第3号に掲げるものを除く。)

(6) その他運送に不適当と認められるもの

3 当代表者は、手回り品が前項各号のいずれかに該当する物である疑いがあるときは、旅客又は第三者の立会いのもとに、当該手回り品の内容を点検することがあります。

(運航の中止等)

第5条 当代表者は、法令の規定によるほか、次の各号のいずれかに該当する場合は、予定した船便の発航の中止又は使用船舶、発着日時、航行経路若しくは発着港の変更の措置をとることがあります。

(1) 気象又は海象が船舶の航行に危険を及ぼすおそれがある場合

(2) 天災、火災、海難、使用船舶の故障その他のやむを得ない事由が発生した場合

(3) 災害時における円滑な避難、緊急輸送その他これらに類する旅客又は貨物の輸送を行う場合

(4) 乗船者の疾病が発生した場合など生命が危険にさらされ、又は健康が著しく損なわれるおそれがある場合

(5) 使用船舶の奪取又は破壊等の不法行為が発生した場合

(6) 旅客が第8条第1項各号に掲げる行為をし、又はしようとしていると信ずるに足りる相当な理由がある場合

(7) 官公署の命令又は要求があつた場合

第3章 運賃及び料金

(運賃及び料金の額等)

第6条 旅客及び手回り品の運賃及び料金(以下「運賃及び料金」という。)の額並びにその適用方法については、第3項から第5項までに定めるところによるほか、別に公示する運賃及び料金によります。

2 運賃及び料金には、旅客の食事代金は含まれていません。

3 次の各号のいずれかに該当する小児の運賃及び料金は、無料とします。

(1) 1歳未満の小児

(2) 大人に同伴されて乗船する1歳以上の小学校に就学していない小児(団体として乗船する者及び大人1人につき1人を超えて同伴されて乗船する者を除く。)

4 重量の和が20キログラム以下の手回り品の料金は、無料とします。

5 第2条第3項第2号及び第3号に掲げる手回り品の料金は、無料とします。

(運賃及び料金の収受)

第7条 当代表者は、営業所又は乗船場所において所定の運賃及び料金を収受し、これと引き換えに乗船券を発行します。

2 当代表者は、旅客が船長又は当代表者の係員(以下「船員等」という。)の承諾を得て運賃及び料金を支払わずに乗船した場合は、船内において乗船区間等の運賃及び料金を申し受け、これと引き換えに補充乗船券を発行します。

第4章 旅客の義務

(旅客の禁止行為等)

第8条 旅客は、次に掲げる行為をしてはいけません。

(1) みだりに船舶の操舵設備その他の運航のための設備又は船舶に係る旅客乗降用可動施設の作動装置を操作すること。

(2) みだりに船舶内の立入りを禁止された場所に立ち入ること。

(3) 船舶内の喫煙を禁止された場所において喫煙すること。

(4) みだりに消火器、非常用警報装置、救命胴衣その他の非常の際に使用すべき装置又は器具を操作し、又は移動すること。

(5) みだりに乗船者の乗下船の方法を示す標識その他乗船者の安全のために掲げられた標識又は掲示物を損傷し、又は移動すること。

(6) 石、ガラスびん、金属片その他船舶又は船舶上の人若しくは積載物を損傷するおそれのある物件を船舶に向かって投げ、又は発射すること。

(7) 海中投棄を禁止された物品を船舶から海中に投棄すること。

(8) 船員等の職務の執行を妨げる行為をすること。

(9) 他の乗船者に不快感を与え、又は迷惑をかけること。

(10) 船内の秩序若しくは風紀を乱し、又は衛生に害のある行為をすること。

2 旅客は、乗下船その他船内における行動に関し、船員等が輸送の安全確保と船内秩序の維持のために行う職務上の指示に従わなければなりません。

3 船長は、前項の指示に従わない旅客に対し、乗船を拒否し、又は下船を命じることがあります。

(手回り品の保管)

第9条 旅客は、船室に持ち込んだ手回り品を自己の責任において保管しなければなりません。

(旅客名簿への記載)

第10条 旅客は、海上運送法(昭和24年法律第187号)第20条の2第5項において準用する同法第15条に規定する旅客名簿に、次に掲げる事項を記載しなければなりません。

(1) 氏名

(2) 年齢、生年月日又は大人、子供及び幼児の区分

(3) 性別

(4) 次に掲げる旅客の区分に応じ、それぞれ次に掲げる事項

ア イに掲げる旅客以外の旅客 住所又は住民票に記載されている市区町村名

イ 日本国内に住所を有しない外国人である旅客 国籍及び旅券番号

(5) 乗船の日時及び港並びに下船の港

(6) 事故、災害その他の非常の場合における介助等の支援の要否

第5章 賠償責任

(当社の賠償責任)

第11条 当代表者は、旅客が、船員等の指示に従い、乗船港の乗降施設(改札口がある場合にあっては、改札口。以下同じ。)に達した時から下船港の乗降施設を離れた時までの間に、その生命又は身体を害した場合は、運送人が運送に関し注意を怠らなかったことを証明した場合を除き、これにより生じた損害について賠償する責任を負います。

2 前項の規定にかかわらず、当代表者は、次の各号のいずれかに該当する場合は、責任を負わないことがあります。

(1) 大規模な災害、震災その他の災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において運送を行う場合

(2) 運送に伴い通常生ずる振動その他の事情により生命又は身体に重大な危険が及ぶおそれがある者の運送を行う場合

3 当代表者は、手回り品その他旅客の保管する物品の滅失又は損傷により生じた損害については、当代表者又はその使用人に故意又は過失があったことが証明された場合に限り、これを賠償する責任を負います。

4 当代表者が第5条の規定による措置をとったことにより生じた損害については、第1項又は前項の規定により当社が責任を負う場合を除き、当代表者は、これを賠償する責任を負いません。

(旅客に対する賠償請求)

第12条 旅客が、その故意若しくは過失により、又は法令若しくはこの運送約款を守らなかったことにより当社に損害を与えた場合は、当代表者は、当該旅客に対し、その損害の賠償を求めることがあります。